2019年に生み出された「マイルストーン」Answer to Remember「Answer to Remember」

2019年に生み出された「マイルストーン」Answer to Remember「Answer to Remember」

石若駿、石若駿、石若駿……彼の名前を日本の音楽シーンの至る所で目に耳にしているという人は多い事だろう。今や日本を代表するドラマーの1人として堂々たる存在だ。自身の作曲面にフォーカスした「Song Book」シリーズの定期的なリリース、井上銘小田朋美らとの「CRCK/LCKS」での活動のみならず、日野皓正バンドでの活躍、さらに須川崇志渡辺翔太の作品参加とジャズシーンだけでも日夜大忙し。また「くるり」のレコーディング&ライブツアー参加、絢香のシングル曲のレコーディングにもその辣腕を奮っている。こうやって書いているうちにもまた新たなトピックが現れそうなほど目まぐるしい活躍ぶりだ。

そんな石若が「Song Book」シリーズとは違って、自身の「ドラマー」としての可能性、表現を全方位的にアピールするリーダープロジェクト及び作品こそ、今回紹介する「Answer to Remember」である。

先行で配信リリースされた“TOKYO feat.ermhoi”からして、これまで培ってきた豊富な音楽経験と「ドラマーの作品」であるという強い意思表示を感じた。続いて配信リリースされたラッパーのKID FRESINOをフィーチャーした“RUN”でも、縦横無尽に駆け巡るKIDのラップと絡み合うように叩き出される石若のドラミングの雨あられに、俄然フルアルバムへの期待は高まる一方だった。

そして2019年12月にリリースされ、全貌を表したフルアルバムはこちらの期待や予測を大きく上回る圧倒的な世界観と情報量で埋め尽くされていた。どの曲を取っても一つ一つが個性的。多様なゲストの参加が目を引くが、それが却って「石若駿」というドラマーのカラーを表出させている。また「ATRBand」という、彼とほぼ同世代のメンバーで固められた、このプロジェクトの肝となるバンドの活躍も随所に光る。石若のドラマーとしての強烈なアピールと共に彼と同世代のミュージシャン達の素晴らしいパフォーマンスも聴き手へ存分に印象付けられる事だろう。

石若駿が2019年の年末に未来の音楽シーンへ投じたマイルストーンの余波はまだまだ広がりそうだ。

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