「第62回グラミー賞授賞式」が開催されたばかりだが、受賞作はすでにチェック済みだろうか?「実はまだ聴けていない……」という方のために、本記事ではジャズ部門の受賞作品をまとめておさらい。気になる作品は、どんどん聴いていただきたいと思う。
最優秀ジャズ・アドリブ賞
最優秀ジャズ・アドリブ賞を受賞したのは、ランディ・ブレッカーの「Sozinho」。「Sozinho」におけるランディの即興演奏が、グラミー賞を獲得した。同曲は、ランディ・ブレッカーとNDRビッグバンドが共同名義で発表したアルバム『Rocks』に収録されている。ランディ・ブレッカーは、2008年に最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバムで受賞して以来のグラミー獲得となった。
最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞
最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム賞を獲得したのは、エスペランサ・スポルディングの7作目『12 Little Spells』。2012年の『ラジオ・ミュージック・ソサイエティ』による同賞の受賞以来、8年ぶりである。本作は、芸術と癒し、音楽と身体の相互作用、ならびに民間療法のレイキ・ヒーリングに触発されて作られたとのこと。
最優秀ジャズ・インスト・アルバム賞
ピアニスト・作曲家として根強い人気のあるブラッド・メルドーの最新作『Finding Gabriel』が、インストアルバム賞を受賞。新世代のトップ・ジャズドラマー、マーク・ジュリアナとの約5年振りの共演を果たしている。楽曲の随所にコーラスが使用されているが、ガブリエル・カハネ、ベッカ・スティーヴンス、カート・エリングに続きブラッド・メルドー自身も参加。これまでに10回以上グラミーにノミネートされてきたが、意外にも受賞は今回が初である。
最優秀ジャズ大規模アンサンブル・アルバム賞
今回受賞したのは、ブライアン・リンチが率いるビッグバンドの作品『The Omni-American Book Club』。2007年のグラミー賞では、ブライアン・リンチ / エディ・パルミエリ・プロジェクト名義で、ベスト・ラテン・ジャズ・アルバムを受賞している。今年度は挾間美帆が『Dancer In Nowhere』でノミネートしていたが、惜しくも受賞を逃した。
最優秀ラテン・ジャズ・アルバム賞
最優秀ラテン・ジャズ・アルバム賞は、チック・コリアのニュー・プロジェクトであるスパニッシュ・ハート・バンドのデビュー作、『Antidote』。人気サルサ歌手のルーベン・ブレイズや、パコ・デ・ルシア・バンド所属のホルへ・パルド、ニーニョ・ホセレらが参加している。